from : ドッグウォーカー博士のスローライフ
何日か前に、ニュースでネズミが恩返し行動をするという話を取り上げていた。
この研究は、英王立協会の専門誌『バイオロジー・レターズ』に発表されたものである。
いままで、ネズミが助け合うことは知られていたが、仲間から受けた親切に報いるということは確認されていなかった。
ところが実験では、自分に便宜を図ってくれた個体に対して、見返りを与えていたのだった。
えさやり役のネズミにバナナとにんじんを与え、別のネズミにあげてもらう。
次に役割を交換すると、ネズミが好むバナナをくれたネズミのほうに、よりたくさんのえさをあげたという。
こういう恩返し行動は、従来は複雑なものだと考えられていたが、実際にはそうではないのではないかということだった。
この実験を聞くと賄賂を連想してしまうが、犬猫を見ていると、やさしくしてくれた相手にはやさしくするという行動は、ふつうによく見られることだ。
うちの2匹の猫たちは、最初から仲がよかったわけではなく、先住猫のキキさん(サビ猫♀19歳)は新入りの小麦ちゃん(茶白♂11歳)を拒絶していた。
だが、気のいい小麦ちゃんが、毛づくろいしてあげたりなどしてキキさんのことを気遣っているうちに、だんだん受け入れるようになり、そのうちに自分もお返しにほんのひと舐めお返しをするようになった。
人間との関係でも、いつも配慮と思いやりをもって接していると、犬猫たちも気遣ってくれるようになる。
散歩中にうっかり転んだりすると心配してくれるし、病気の時には看病してくれる。
猫は大きなゴロゴロいう声で自分の骨折を治すといわれているが、人間のことも治療してくれる。
このゴロゴロは、気持ちがいいときのゴロゴロ声とはちょっと違って、もっと音量が大きい。
キキさんはわたしが肋骨を3本骨折した日の夜に、胸の上に乗ってずっとゴロゴロ治療をしてくれた。
わたしが徹夜で論文を書いていると、寝ないで一晩中起きて付き合ってくれたこともあった。
コンちゃんの里親のソラさんのところでは、ソラさんが体調を崩して寝ていると、犬2頭猫2匹全員で看病してくれるそうだ。
猫はもちろんゴロゴロ治療である。
自分が親切にされたら、相手にも親切にするというのは、社会性がある動物には共通する行動ではないだろうか。
犬が飼い主を映す鏡であるというのも、これと関係しているだろう。
配慮と思いやりをもって接していると、それは自分にも返ってくる。
だが、たとえ返ってこなかったとしても、そんなふうに接したいものだ。
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