2017年11月17日金曜日

些細なことにキレるのはなぜ

些細なことにキレるのはなぜ
from : ドッグウォーカー博士のスローライフ

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雨が降ったり止んだりで、湿度が高いせいか暑い。

散歩から帰ってからエアコンを入れ、シーリングファンを回したら、はちゃん(秋田MIX♂5歳)が柿持ちよさそうにしている。

この時期暑いと言っていられるのは、わたしとしては喜ばしいことだ。

さらにのんびりした環境なので、なんといってもそれが快適だ。

東京に住んでいたときには、人々がストレスいっぱいで余裕がない感じで、他人にたいしてキレる人がよくいた。

わたし自身も、実家の駅前のパン屋が新装オープンしたときに、いままでと並ぶ場所が変わっていたのに気づかずにいたら、男性客に怒鳴りつけられたことがあった。

また、満員電車で小さくなって文庫本を読んでいたら、揺れた拍子に前の男性の新聞に本が少し当たってしまい、いきなり本を叩き落されたことがあった。

そのほかにも似たようなことがたくさんある。

わたしは旅行が好きでいろんな国に行き、バックパックを背負って路線バスでよく旅をしていたが、こんなふうに些細なことで他人にキレる人(とくに男性)が多い国というのは、そうそうない。

バスなどで体が当たったら、ごめんなさいと謝れば、「いいよ、気にしないで」みたいな反応だったり、あるいはそんなことではだれも謝る人がいなかかったりというのもあった。

些細なことに過剰反応するというのは、人間でも犬でも、慢性的なストレス状態に特徴的な行動だ。

たとえば皿を落として割ってしまったとする。

そんなのは誰にでもあることだから、「あ~、やっちゃったね」、「気にしなくていいよ」ぐらいでいいと思うのだが、「おまえはなんでいつもそう不注意なんだ。だいたい根性がなってない」などとねちねち説教をするのは、過剰反応といえる。

わたし自身も子どもの頃にはよく親から言われていたし、学校や会社でもこういう叱責はよくあるのではないだろうか。

他人に対する不寛容が蔓延しているのは、自分自身がストレスいっぱいで余裕がないからだ。

心の中に、怒りや不満、悲しみ、不安、恐怖などの鬱屈した思いが渦巻いているのである。

そしてちょっとしたきっかけがあったときに噴出する。

そして、自分がされて嫌だったこと、言われて嫌だったことを、そのまま他人にやってしまうのである。

「もう、何度行ったらわかるの、この馬鹿が」、「頑固なんだから」、「このわからずや」、「性格がゆがんでるんじゃないのか」、「何度同じことを繰り返すの」、「いつまでやってるんだ」、「どうして他の子と同じようにできない」など、かつて自分が言われて傷ついたことを、犬や他人に言っていないだろうか。

かつて自分が傷ついた思いに蓋をし続けてきていると、ストレス下において、なにかのきっかけがあったときに出てくることがある。

犬にも同じようなことが起こる。

犬の場合は暴言を吐くことはできないが、その代わりに噛み付くという犬らしいやり方で表現する。

命令でがんじがらめにされ、叱られ、人間のいうことを聞かされ続けてきた犬は、悲しみや絶望、不安や恐怖などが蓄積している。

そこにちょっとしたきっかけがあると、いきなりブワッと噴出する。

ピーちゃんは最初保護したときに、爪が伸びきっていたのでトリマーのところに連れて行ったら、絶叫して大暴れしたことがあった。

元の飼い主は、頻繫にシャンプーしていて、爪切りなども嫌がらないと言っていたから連れて行ったのだが、ピーちゃんは全部我慢していたのだった。

お手入れなどとても無理な状態であることがわかり、その後リハビリする中で少しずつ平気になって行った。

爪切りは本来痛くもなんともないが、無理やりさせるとよくない関連付けをして、爪切りを見ると逃げるというような行動が起こる。

だがそこにさまざまな鬱屈した思いが加わると、絶叫して大暴れし、噛み付きまくるというような、極端な反応となって表出するように思う。

そうした過剰反応は、人間の場合、過去に押し込めた自分の気持ちをひとつひとつ意識化することで薄らいでいく。

岡本茂樹『反省させると犯罪者になります』(新潮新書)がとても読みやすくてわかりやすいのでお勧めだ。

それとともに、自分のことをジャッジせずに、丸ごとうけとめてくれる相手と、いい関係を築くことで、さらに大きく変わってくる。

PONOPONO実践者さんたちは、犬と信頼に満ちた関係を作ることで、人間的に成長したという方が多く、わたし自身もそうだ。

他方、犬の場合は後者のやりかた、すなわち人間が犬の気持ちを受け止めて、安心できるよりどころとなることで、心の平安を取り戻していく。

何度も書いているように、「問題行動」を人間が「直す」のではないのだ。

自分も犬もともに成長するというのが、PONOPONO犬育ての真髄だと思うのである。

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