from : ドッグウォーカー博士のスローライフ
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残念ながら一日中雨が降っていた。
はっちゃん(秋田MIX♂5歳)は、ときどき窓の外をのぞいては、ため息をついていた。
でも、濡れるのが嫌なので、外に行こうとはしない。
こんな感じで、わたしの机の横に寝そべっていた。
ところで、霊長類研究で有名なフランス・ドゥ・ヴァールの『共感の時代へ』に、非常に興味深いことが描いてある。
著者は、新自由主義政策がもたらした負の遺産が顕在化した現在は、競争の時代から共感の時代への転換の好機であると主張する。
専門の霊長類研究の立場から、サルと人のみならず、犬もふくむ哺乳類全般の共感性向が語られている。
その中で、おもしろい記述を見つけた。
人は相手から自分の動きを真似されると、相手に好感を持つということが、心理学の実験によって確かめられている。
これはいろんなところでよく言われているので、ご存知の方も多いだろう。
著者は、相手と手を打ち合わせる遊び(例えばげんこつやまのたぬきさん)のようなゲームや、恋人たちがデートで一緒に歩いたり食事したりすることは、相手に「同調すること」であり、これに絆を結ぶ効果があるという。
実験者が幼い子どもの動きをまねすると、子どもからより多くの微笑と注意を引き出す。
また、人は自分と同じ行動、すなわち、自分がグラスを持ったら相手も持つというような相手に好印象を受けるのであり、自分の模倣者を好むことがわかっている。
模倣は同種の動物の間では広く行われており、それが絆を形成するというのである。
おもしろい例として、著者の友人が脚を骨折してギブスをしていたときに、飼い犬も同じようにびっこを引いて歩き、ギブスが取れたら犬はびっこをひかなくなったという話を紹介していた。
犬のように社会性の高い動物は、仲間同士の同調行動がよく見られるが、コミュニケーションのためのカーミングシグナルもそのひとつだろう。
ときどき、「自分の犬といまいちわかりあえない」という方がいるが、そんな人にこそ「模倣」がおすすめである。
犬がやっていることを、自分も同じようにやってみよう。
四つんばいになって、適度な距離をとって犬の前に行くと、犬はカーミングシグナルを出してくる。
まばたきしたり、顔を背けたり、体の側面を向けたり。
それをいちいちまねするのである。
ミラーリングというが、犬も喜ぶが、人間にとっても楽しいゲームである。
毎日やっていると、犬のことがもっと好きになるだろうし、犬もシグナルで会話できるので、人のことが好きになる。
また、散歩に行ったときも、のんびり一緒に歩き、一緒に休み、おやつを食べるなどすると、これもまた絆が深まる。
デートの要領である。
一緒に寝るというのも、このカテゴリーに入るだろう。
人は命令して、犬はそれに従うというのではなく、人と犬が一緒に同じことをするというのが、種を超えた絆の形成にとって欠かせないということを、生物学は明らかにしているのである。
相手のまねするだけなので、簡単で楽しいから、ぜひともやってみていただきたい。
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