from : ドッグウォーカー博士のスローライフ
昨夜から涼しくて、ちょっと寒いぐらいだった。
朝散歩の時間には小雨が降っていたが、散歩に差し障るほどではなかったのが幸いだった。
天気がよくないので、犬たちは「とりあえず行っとこう」ぐらいな感じだった。
日中はみんなで寝ていたのだが、ふとみるとはっちゃん(秋田MIX♂4歳)がいない。
掃き出し窓から覗いたら、たたきで寝ていた。
目が合うと、「なに、なに」と部屋に入ってきて、尻尾フリフリで「撫でて」と言う。
はっちゃんはいつも甘えっ子だ。
無邪気で素直なところが長所である。
さて今日は、「違い」や「多様性」を認めるということについて書いてみたい。
犬育てとどんな関係があるかと思われるかもしれないが、関係しているし重要なことだ。
苦手なことがあったり、できないことがあったり、自分が好ましくない行動をしたりすると、どうしても「他の犬はそんなことしないのに」などという気持ちが頭をもたげてくることがあるだろう。
人間で言うところの「人並み」意識である。
他の犬と同じようになってほしい、「普通」でいてほしいというようなことだろうが、それは言い方を変えれば、他の犬とちょっと違うことが認められない、あるいは嫌だ、ということではないだろうか。
ここ日本は、差異とか多様性に関して、非常に不寛容である。
人と違っていてはいけない、みんな同じがいいという漠然とした考えのもと、マジョリティにあわせて、空気を読んで行動するのがスタンダードだ。
現在、世界はマイノリティの権利を尊重する方向に向かっているにもかかわらず、ここではマイノリティが声を上げると、容赦ないバッシングが来て、「ワガママ」だの「空気読め」など言われる。
わたしが学生だったころ、ウーマンリブの闘士たちはまだ健在で、女性の地位は低かったものの、今後は改善していくものと楽観的に思っていた。
ところが21世紀になってしばらくたっても、状況はさほど変わっていない。
相変わらずジェンダーステレオタイプが支配的だし、女性の地位は先進国の中では最下位だ。
障害者差別は逆に強まっているに見えるし、バリアフリー化もたいして進んでいない。
わたし自身、自閉症スペクトラム障害(アスペルガー)を持っており(確定診断済)、セクシャルマイノリティ(ジェンダークィアでアセクシャル)というマイノリティなので、マジョリティを標準としてそれに合わせる暮らしは非常につらい。
障害特性として感覚過敏があり、音や光、さわり心地、味覚やにおいなどに過剰反応し、苦手な物が非常に多い。
その他、困りごとはたくさんあるのだが、これは多数派の人々とは違った脳のあり方によるものである。
だが、診断が付く前は単なるワガママだから訓練?すれば直ると思われていた。
ちなみにセクシャルマイノリティであるLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)についても、病気だとか、治療で治るなどと思われていたというから驚きだ。
わたしの場合、生物学的性別は女性だが、性自認(ジェンダー・アイデンティティ)は女性でも男性でもない感じで(ジェンダークィア)、恋愛も性愛もよく理解できない。
人間の場合、生物学的性=社会的性(ジェンダー)ではなく、女と男のようにすっきり2分できるものではないということはよく知られている。
また、恋愛や性愛の対象も「異性」に限られたものではなく、対象がないというのも含め、さまざまなバリエーションがある。
セクシャルマイノリティの人々の割合は、7.6%、13人に1人と言われているが、もっと多いかもしれない。
多数派(と思われている人)とは違ったあり方の人が存在し、そのままでいていい、合わせなくていいと認めることが、多様性を尊重するということだ。
みんなと一緒でなければ認めない、みんなと合わせるように強要するなどというのは、その多様性を無視することになる。
それは犬でも同じだ。
犬の場合も発達障害のようなものはあると言われているし、子犬のころの虐待的な環境により、脳が損傷していることもある。
また、適切な刺激を受けられなかったり、トラウマ的な経験をしたりして、そうでない環境で育った犬とは違う行動をすることもある。
飼い主には、「みんな」と違う行動、「問題行動」に見えるかもしれない。
それで犬自身が困っていたら、手を差し伸べてあげる必要がある。
環境を整えて居心地がいいようにしてあげたり、嫌な思いをしなくてすむようにしてあげたり。
それを、みんなと一緒を目指してトレーニングするとか、矯正するとかいうのは考え違いだ。
他の犬とは違う、その犬の独自性を認めてあげると、安心して個性を発揮することができるようになる。
すると、ストレス行動としての問題行動が減るので、犬も飼い主も幸せになる。
排除したり変えようとしたりしても、当事者もまわりも不幸になるだけなのは、人間の場合と同じではないかと思う。
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