from : ドッグウォーカー博士のスローライフ
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雨が降っていたが、予定通り駐車スペースに続く農道の整備をすることになった。
こちらは作業開始時刻が早くて、業者さんは７時半に出てくるという。
２トントラックを借りて砂利を買ってくるので、うちの着くのは９時ごろだ。
それまでに草刈りをしておかなければいけないので、朝から大忙しだった。
トラックが付いて砂利を敷き始める頃には雨足が強まって、わたしもずぶ濡れになりながら作業した。
車を入れてみると、以前よりもずっと滑りにくくなっていたので、ひとまず成功といえる。
業者さんも親切な人だったので助かった。
その方も犬と暮らしているそうで、単管パイプとワイヤーメッシュで作ったうちと同じ方式のフェンスで庭を囲っているという。
繋いだりしたくないので、フェンスの中で自由にさせているそうだ。
家の中に入れているかどうかは聞き忘れたが、ときどき近所の養殖場での仕事のときに犬を車に連れてきている。
そういえばここでは仕事に犬を連れてきている人をときどき見かける。
よくリードを放しているので、そこだけ見ると外国風だ。
日本では人間も自由度が低いが、犬猫たちも非常に不自由な暮らしをしていると感じる。
人間といっしょに暮らす動物は、ただでさえさまざまな制約を課せられている。
環境省のパンフなどには「習性を尊重して飼いましょう」などと書いてあるが、それよりもずっと人間の都合の方が優先されているのが現状だ。
昨日とおとといの記事で匂いを嗅ぐことについて取り上げたが、においを嗅ぐのは犬の習性で、QOLの向上にとって欠かせないことである。
ごく少量の尿をかけるマーキングも、情報交換の大事な手段だ。
このどちらもが、都会ではよく思われない。
匂いを嗅いだ後にはかならずマーキングするという思い込みから、匂いを嗅がせないようにとまで言う人がいる。
これは犬をやめろというようなものだ。
苦情が来るからという理由で、犬が全く吠えないようにしたいと考える人もいるし、声がうるさくないようにと声帯切除する人もいる（これは虐待）。
不審者に吠えるのは犬の習性で、不審者がいなくなったときに吠え止めばそれでいいし、その範囲だと苦情はほとんど来ないのだが。
最近では、犬も猫もケージの中に閉じ込める傾向がさらに強まりつつあるようで、犬猫を里子に迎えたらケージに入れるように言われたという話をよく聞くようになった。
一般的に日本の家はよほどの豪邸でもない限りは狭く、その中に物がけっこうあるのでフリースペースはそれほど広くない。
庭も狭いか全くないことも多い。
そこでさらに狭いケージに入れたら、犬猫たちは囚人と変わらなくなってしまう。
ストレス行動が出ない方がおかしいだろう。
犬猫たちがのびのびと幸せに暮らすには、自由度を大幅に上げる必要がある。
といっても、ひとりで散歩に行ってもらうのは自己リスクが高すぎるので、室内はフリーにするとか、広々としたところを散歩するとか（犬）、脱走防止対策をした上で庭やベランダに自由にアクセスできるようにするなどを最低限のラインにしたい。
また、犬だったら好きなだけ匂いを嗅いだり、匂いの上を転がったり、穴を掘ったり、おもちゃを齧ったりなど、その習性には最大限寛大でありたい。
家が汚れるからなどというのは犬と暮らす前からわかっていることであり、そういうのが嫌な人は犬と暮らさなければいいだけだ。
子犬や子猫は人間の子どもと同様イタズラをする。
「人間と暮らす以上はしつけをしなければ」と意気込んであれこれ禁止しがちだが、大人になったらやらなくなることがほとんどだ。
それよりものびのび好きなことをさせてあげたほうが、ストレス行動を防ぐことができて人間もずっと楽になる。
はっちゃん（秋田MIX♂6歳）を保護したのは生後６週齢の頃だった。
ちびっ子ギャングと呼んでいたほどやんちゃな子だったが、外遊びの時間をしっかりとってあとは好きにしてもらっていたら、いつもご機嫌で適応力があり思慮深い犬に育った。
途中から迎えた犬たちも、自由度を上げることで犬らしく生き生きと暮らせるようになる。
新生活に馴染んだり、トラウマを克服して行ったりするには安全でのんびり暮らせる環境が不可欠だ。
まずは人間の都合でああしちゃだめ、こうしちゃだめというのをやめてみよう。
そして犬本来の行動ができるように環境を整えよう。
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