from : ドッグウォーカー博士のスローライフ
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昨夜から雨が降り出し、少し気温が下がって涼しくなった。
こういう日は犬たちは朝食のあとに二度寝する。
天気がいいと明るくなるのが待ちきれずにウズウズしているが、雨だとなかなか起きてこない。
犬と暮らすようになってからわたしも犬のリズムになったが、体に無理がなくて快適だ。
無理をするとあとで体調を崩すので、犬たちの言うとおりにするのが正解だ。
先日、タイトルにひかれて次の記事を読んだ。
小野寺研太「多くの女性が、男性の気持ちを『過剰に忖度してしまう』構造的理由」。
直接的には、男性からの嫌がらせや差別などの被害にあいながらもなお、なぜ女性は加害者の立場を忖度(そんたく)するのか、ということについての考察だ。
小野寺氏の研究領域はわたしの専門とも重なる部分があるので興味深かったが、それ以上にこのことは犬と人間との関係についても当てはまるので紹介しようと思う。
相手の立場に立つには想像力が必要だが、その想像力には社会関係の中で偏りがあるという。
かれはD.グレーバーの言説を引用しながら次のように述べる。
「人間の同感能力を支える想像力は、ある社会関係の中で考えると、その働き方に著しい偏りが存在していることが分かる。
『召使い』や『女性』や『被雇用者』は、『主人』『男性』『雇用者』のことをあれこれと想像するが、その反対は起きないのである。
つまり社会関係における立場や権力の落差は、そこに働く想像力のあり方にも影響を及ぼすのだ」。
権力関係で劣ったポジションにある者は、優位なポジションにある者の考えや意図を読み取って行動するように期待される。
言い換えれば権力者の気持ちを忖度することが求められるのであり、その行動を内面化しているという。
なぜこういうことが起こるかといえば、その背後に「構造的暴力」が存在するからだとグレーバーが述べていると筆者は言う。
構造的暴力(不平等や抑圧などを生み出す社会構造に由来する間接的暴力)の問題についてはわたしもこのブログで何度も言及している。
わたしたちはどうしても直接的な暴力に目が向きがちで、それは意味があることではあるのだが、差別構造などによる間接的な暴力の問題も同じくらい重要だ。
社会構造の中では、自分が抑圧される立場になる場合もあれば、権力を持って抑圧する立場になる場合もある。
抑圧する立場になったときに、わたしたちは相手に忖度するよう強いるかもしれない。
小野寺氏はそのことについて想像することが大切だとまとめている。
ここで人間と犬の関係について考えてみよう。
人間は圧倒的に大きな権力を持つので、犬に人間の言うことを聞くように強いるということが日常化している。
そして権力者である人間は、犬の気持ちなどには関心を示さない。
犬は人間の意向を汲んで行動して当然と考えられているからだ。
そこには権力の偏在による想像力の偏在がある。
どうして犬の気持ちがこんなにも無視されるのか、その説明がついたように思う。
もしわたしたちが上司に接するように犬に接したら、犬たちはずっと幸せになるだろう。
権力者の気持ちを忖度するのではなく、犬猫その他動物の気持ちを忖度したいとわたしは思う。
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