from : ドッグウォーカー博士のスローライフ
コンビニで、「ロールココ マンゴー」というお菓子を買った。
米粉とココナッツミルクでできたロール状のサクサクお菓子だ。
わたしはそれほど好きではないのだが、めずらしくヴィーガン仕様だったのと、東南アジアっぽさがなつかしかったのとで、つい手に取った。
帰宅してみんなで試食。
膝の上にいるルルさん（ヨーキー♀１２歳）は、袋を開けるや否や鼻をヒクヒクさせ、ひゅーんと首を伸ばしてペロペロした。
ピーちゃん（パピチワ♀１０歳）も飛んできて、むさぼり食っていた。
はっちゃん（秋田ＭＩＸ♂４歳）は慎重派で、５ミリ程度のかけらをそっとくわえてみて、よーく味わった後、大丈夫そうだと判断してからおちょぼ口で食べた。
はっちゃんは初めて食べるものにはとても用心深い。
いいことだ。
あとで庭にいたマルちゃん（大型犬ＭＩＸ♂８歳）にあげたら、普通にパクッといった。
それぞれ違っておもしろい。
ブログを書いていたら、はっちゃんが庭で吠えはじめた。
見てみると、５０メートルほど先の原っぱに車が何台か停まっている。
これは嫌だろう。
すぐに家に入れた。
敷地のそばに他人が来たときに吠えるのは、人に知らせるためというときもあれば、恐怖や不安、あるいは興奮によるときもある。
「だれか来たよ」のときは、飼い主の方に向かって吠えるが、恐怖や不安のときには訪問者に向かって唸りながら吠え、興奮のときには高めの声で吠える。
それらがいっしょくたにされて、「縄張り行動」とか、「テリトリー行動」などと呼ばれていることが多いが、興奮による吠えはテリトリーとは直接的には関係しない。
うちでは、ルルさんはドアが閉まっていれば吠えないし、庭にいるマルちゃんは不審者の様子がわかれば吠えない。
だが、相手が敷地に近づくなどの動きがあったら吠える。
マルちゃんは、とても番犬っぽい。
昔は犬を庭で番犬として飼うという飼い方が多かったが、番犬に向いている犬というのはそれほど多くはないように思う。
興奮で吠えるルルさんは向かないだろう。
それに、もし本当に番犬として使うのなら、つなぎ飼いは適切ではない。
社会性の高い犬を家族から引き離すと、それだけでストレスがかかる。
その結果、誰かが来ても来なくても関係なく吠えるようになったり、知っている人にも吠えるようになったりする。
つなぎ飼いは、噛みつきリスクを増大させるので、そばを通った人に噛みついてケガを負わせたり、脱走して人を襲ったりという事態を引きおこす原因にもなるのである。
あるいは、すっかりあきらめて無気力になり、ショボ顔でじっとしていて吠えなくなる。
現代日本では、住宅事情などから、知らない人に吠える犬は歓迎されないので、「番犬として飼いたい」などという考えは捨てたほうがいいだろう。
発展途上国などでは、家のそばに放し飼いされた犬が番犬をしている姿を見る。
野良犬たちは人に吠えたりしないのに、家で飼われている犬は敷地に近づく人に吠える。
これは、犬本来のテリトリーと、人間に飼われている犬が守っている物が違うからだと思う。
犬は、他の動物と同様に、自分が活動する範囲にマーキングしたりして痕跡を残す。
だが他の動物と違うのは、テリトリーの中に個体が来たときに、多くの動物は追い払うのに対し、犬はその存在を受け入れて、追い払わずに共存する点である。
たしかに、社会化が正常に行われた犬は、他の犬がテリトリーにいてもカーミングシグナルを出してあとは知らん顔している。
ところが人間と暮らしている犬は、他の犬に対してはこういう行動をするが、家の敷地に来た道の人に対しては追い払おうとする。
犬は人間の気持ちや意向、考えなどに敏感なので、飼い主の様子を見て飼い主が決めたテリトリー（＝敷地）をガードしようとするのではないだろうか。
いわゆるテリトリー行動とは、人間との暮らしの中で飼い主から学んだ行動ではないかということだ。
わたしはそんなふうに思っている。
それと混同されやすいのが、飼い主が犬の寝床などに近づこうとすると唸るとか攻撃するというものである。
飼い主が近づくと嫌なことが起こるという経験から、自分の身を守ろうとしているのであって、テリトリーとは関係ない。
物を守るというのも同様で、飼い主が近づいたら取り上げられたという経験から、自分のものを守ろうとしているのである。
通説やレッテル貼りなどは置いておいて、自分の目で犬の行動を観察してみよう。
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