from : ドッグウォーカー博士のスローライフ
寒かったので冬用布団を出した。
それでも寒い。
ルルさん(ヨーキー♀11歳)は、完全に布団にもぐって寝るようになった。
どんよりした天気だったので、ルルさんとピーちゃん(パピチワ♀10歳)は、散歩には行かないと言っていた。
みんな太陽を待ち望んでいる。
ところで、お手入れをしようとしていて噛み付かれたといいう方は、けっこう多いのではないだろうか。
PONOPONOでもよくそういうご相談を受ける。
その背景にあるのは、「犬が嫌がってもやり続けないといけない」という考え方だ。
犬が嫌がったからと言ってやめたら、犬は今後一切お手入れを受け入れなくなる、と思っている人もたくさんいる。
このように、「嫌なことでも受け入れなければいけない」という考えかは、この社会に蔓延しているようだ。
わたしも子どものころ、厳しくそういわれて育った。
だが大人になってから、「子どもの権利」という考え方を学んだ。
それによれば、子どもは自分の意見を言う権利がある、嫌なことは嫌と言っていいというのだ。
もっと早く知っていればと、本当に残念に思う。
もし嫌なことを嫌と言うことができていたら、いま抱えているさまざまなトラウマはなかっただろうし、もっと社会適応がうまくできていただろうと思う。
嫌なことを我慢していて命を落とすというようなことが、世の中ではたくさん起こっている。
また、みんな我慢しているのだから我慢して当然だ、我慢できないのは社会人として未熟だなどの言説がまかり通っている。
だがこれらは、人権という観点からは、重大な問題をはらんでいる。
自分のことは自分で決める、嫌だったら嫌という、不当な要求には従わない。
これは人間の権利なのである。
動物にもそういう権利を認めようというのが最近の世界的傾向であり、わたしもその考え方を強く支持している。
犬が「嫌だ」と言ったとき、それを「生意気だ」とか、「言うことを聞いて当然」などと思ったら、自分自身がそう言われてこなかったか、ちょっと考えてみよう。
自分自身が意思を尊重されず、それが当然だと思わされてきた人ほど、他者に対して同じようにふるまう傾向がある。
もし自分の「嫌だ」が受け入れられていたら、どんな風に感じたか、その後の人生がどう変わっていたかなど、想像してみよう。
そのほうがずっと快適ではなかっただろうか。
わたしは自閉症スペクトラム障害という障害特性から、集団行動が非常に苦手だった。
だが、学校に行かないという選択肢は存在しなかった。
勉強自体が好きだったこともあって、毎日通ってはいたが、もし行かないという選択肢があったら行かなかったと思うし、トラウマや誤学習も少なかっただろう。
ただ漫然と学校に通っていても、社会性は向上しない。
わたしの場合、とくにいじめられることはなかったように思うが、いじめられているのに気づかなかった可能性もある。
だが、障害がある場合、いじめに合うことは非常に多く、つらい経験をするケースが多発している。
それでも学校に行かないといけないという圧力は、人をウツにしたり、最悪、死に追いやることさえある。
嫌なことを嫌と言えるということは、自分自身を守る上でとても重要なことだ。
自分自身にも、この権利を認めよう。
そうすると、ずっと生きやすくなるだろう。
そして、自分の周りの人にも、また犬にも、この権利を認めよう。
そうすると、みんなほっとするし、笑顔が戻ってくる。
嫌なことを我慢するのは美徳ではない。
この世界で人々が守り、後世に伝えていくべきものは、人権や動物権という価値観だとわたしは固く信じている。
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