2017年9月2日土曜日

体罰はなぜいけないか

体罰はなぜいけないか
from : ドッグウォーカー博士のスローライフ

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明け方、マルちゃん(大型犬MIX♂9歳)がベッドに上ってきて目が覚めた。

雷は鳴っていないようだったが激しい雨音がする。

ちょっと怖くなったらしい。

撫でているうちにまた寝てしまった。

マルちゃんは急に雨が降ってきたとき、ドアを開けて「マルちゃーん!」と呼ぶと、急いで部屋に入ってくる。

室内にいるのは嫌いなのだが、濡れるのはもっと嫌なようだ。

さて、ここ数日、ジャズトランペット奏者の日野皓正氏が、コンサート中に、中学生の髪を引っ張り往復ビンタを加えたということが話題になっている。

コンサートを主催していた世田谷区教育委員会は、「行き過ぎた指導」があったとコメントしているという。

そもそも、こうした体罰を教育委員会が、行き過ぎであれなんであれ「指導」と言ってしまうこと自体が大問題だ。

以前にも書いたことがあるが、国際連合子どもの権利委員会は、家庭を含むすべての状況での体罰を法律で禁止するよう、日本政府に対して再三勧告している。

一刻も早く法整備を進めるべきだが、それにしても行政組織が体罰を明確に否定しないというのは、子どもの権利条約批准国として、あってはならないことだ。

ネットでは賛否が沸き起こっているが、体罰を容認するような意見がかなり多いことにも驚く。

これでは犬への体罰がなくならないはずだ。

子どもへの体罰容認は、動物への体罰容認と密接につながっており、さらには、女性、障害者、高齢者、その他さまざまなマイノリティや社会的弱者への暴力の問題とも関連している。

体罰に関しては、心理学分野においては否定的見解がコンセンサスになっているといえる。

たとえば、日本行動分析学会は、2014年に「『体罰』に反対する声明」を発表している。

同学会は、人間についてだけでなく、「家庭で飼育されているペットや、動物園・水族館・盲導犬などの訓練施設で飼育されている動物」への体罰についても反対している。

ぜひゆっくり読んででいただきたいが、要点を紹介しておこう。

ここでいう「体罰」とは、次のようなものである。

「殴る、叩く、つねる、蹴る、首を絞めるなど、身体に直接苦痛を与える行為、長時間正座させたり、おさえつけたり、狭い部屋に閉じ込めたり、拘束するなどの、間接的に苦痛を与える行為だけではなく、大きな声や音をだして脅したり、汚いことばでののしったり、脅したりして、精神的な苦痛を与える行為も含みます」。

そしてこれらは、「教え手による暴力行為」に他ならないと明言している。

そして体罰に反対する理由を3点挙げる。

1.体罰が効果的な学習を促進することはない。

2.攻撃行動などの副作用が生じる。

3.体罰なしで効果的な学習を促進する方法がある。

これは心理学の一分野からの声明だが、法律家からの意見書もある。

日本弁護士連合会による「子どもに対する体罰及びその他の残虐な又は品位を傷つける 形態の罰の根絶を求める意見書 」(2015年)を見てみよう。

ここでは体罰を、力が用いられ、苦痛や不快感、屈辱感を引き起こすことを意図した罰にとしている。

それにくわえ、残虐なまたは品位を傷つけるような罰(子どもをけなしたり怖がらせたり笑いものにしたりするすることを意図した罰)を、「体罰等」として、ともに反対している。

体罰は、「それ自体が子どもの品位を傷つけるものであり、人格を否定し屈辱を与える行為である。

また、子どもの人格を否定するような屈辱的な言辞とともに行われることも多い。

友達の眼前で、教育職員に暴力をふるわれたり、辱めを受けたりすること自体が、子どもの誇りを粉々に砕く。

身体の痛みだけでなく心の痛みを伴うために、不登校、学校嫌い、学習意欲の減退、性格の変化(陰鬱化、明朗さの喪失,恐怖感から招来する落ち着きの喪失)、自尊感情の喪失、主体的に考え行動することができなくなるなどの影響がある」。

暴力を伴わないものも、体罰と同じ弊害があるとしている。

ここで日野氏の行為を見てみると、それが体罰であることは明白であり、禁止されるべきものであることは疑いえない。

日野氏だけでなく、彼の行為を擁護する人たちの間には、子どもの指導には、体罰等をともなった暴力的なやり方が有効で必要である、という考え方があるといえる。

この考え方は犬に対しても根強く残っている。

最近ではドッグトレーニグにも行動学の研究成果が反映されつつあり、日本行動分析学会の声明にあるようなことを、知識として知っているトレーナーが少しずつ増えてきてはいる。

ところが、それにもかかわらず、チョークチェーンを使ったり、大きな声や音を使ったりというような行為は相変わらず続けられている。

犬も「体罰等」によって、意気消沈したり、明るさを失ったり、落ち着きがなくなったり、攻撃的になったりする。

また、褒めるときは褒め、叱るときは叱るという「しつけ」でも、厳しい声で叱ることには変わりないので、同じような影響が出てくる。

命令に従わせるトレーニングではとくに、自信の喪失や主体的な行動をしなくなるという弊害が強く表われる。

こうしたことは犬をよく観察していればわかることだ。

「人格」や「品位」は、子どもはもちろんのこと相手が犬であっても尊重すべきことである。

犬にかかわる人が、そういう意識を持つようになってほしいとわたしは願っている。

体罰等が有効で必要という考え方は、広く浸透しているので、わたしもカウンセリングで遭遇することがある。

申し込んでくる方はPONOPONOの方針を理解していることがほとんどだが、ご家族(とくに男性)が体罰容認派であるケースはままある。

ご家族に容認派がいたら、ぜひこのページや、リンク先の声明をプリントアウトして、読んでいただくといいと思う。

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