2016年4月6日水曜日

ご挨拶に代えて

ご挨拶に代えて
from : ほんとねこ

本日くらいから書籍「ほんとねこ2」が
書店などにも並び始めるかと思います。
有難いことに「2巻が読みたい」 と仰って下さった
読者の方々のおかげで2巻を発売することができました。 
心よりお礼申し上げます。


私にとってこのブログ「ほんとねこ」は
将来、必ずあるであろう猫との別れ
大切な人たちとの別れなどを想定したうえで
そのまま過ごしていたら忘れてしまうであろう
小さな思い出、楽しかったことを記し
その別れで辛いであろう時に
いつか自分が読み返し思い出し乗り越えるための
「備忘録」として描き始めました。

自分の中で決めていたのは「楽しかったこと」と
「好きな人、もの」しか描かないこと。
よく「ほぼねこ」ですね、などの声を頂きますが
書店ネタが少ないのは、やはり正直にいうと
大変な職業であるので「楽しい」の部分が
少ないから、というのが本音です。
 
それでも、以前は先輩、同僚に恵まれ
業務が辛いながらも、なんとか楽しく働いていたのですが
そういった仲の良い、支えあっていた方々が
どんどんと店を辞めてゆき
「楽しい」より「辛い」が勝るようになり
(労働形態の問題もあったのですが)
「ほんとねこ2」のあとがきに描かせて頂きましたが
私自身も違う書店に転職を致しました。


書店が変わり、勤務日が増えたことで
ただでさえまったり更新の
このブログは更にのんびり更新になる
可能性が高くなるかと思います。

このブログを見て下さっている方は本当に優しい方が多くて
web拍手やメッセージなど温かい言葉をかけて下さる方が
ほとんどです。本当に嬉しく、心がほっこりとして
保存して何回も読み返すことで
ブログを続ける励みになっていました。
この場を借りてお礼申し上げます。

ですが、本を出版したことで

「本を出した以上、プロなのだからもっと更新すべき」
「マンガ以外は面白くないので描かないでほしい」
「手抜きはやめろ」

と言ったご意見も頂くようになりました。
あくまで私の認識なのですが私のような
ブログから書籍化した本があふれかえっている中
1冊2冊本を出しただけで「プロ」などと
おこがましいと思っていましたし

漫画家、作家共にそれだけで食べていけるような
方々を指すものだと思っていたのでとても驚きました。
確かに只で見れるブログならまだしも
お金を払って本を購入して頂いている以上
「プロ」ではある…のかな…?と
自分の認識の甘さに反省いたしました。

ただ、私自身、趣味が多くミーハーなものですから
色々なことに興味がありますし
(今は大河「真田丸」に夢中です)(面白いですよ!)
そういったことも含めて楽しいこと、好きな事を
自由に描いていきたかったので、非常に悲しく…
そういったご意見を頂くたびに何も描く気がしなくなり
以前は皆様からのコメント欄を設置していましたが
やめさせて頂くようになりました。

備忘録なのであれば、それこそ日記帳にでも描けば
良い話なので、それならもう閉鎖しよう、と思ったのですが
やはり、「ほんとねこ」の「ほん」の部分、
面白い本を勧めたい、もっと街の書店に行ってみてほしい
そんなわがままを考えてしまいまして…
こんな弱小ブログで細々とひと月1冊でもお勧めしていれば
少しでも、誰か1人にでも何か伝えられるのではないか、と
思ってしまうのです。 


今回、光栄にも2冊も書籍の形にして頂き
非常に誠実で私の好きなように作らせて下さる
学研さん、編集さんのおかげで自分のらくがきが
大好きな「紙の本」となった嬉しさと、
同時に「本を売る」ためには作った後にも
大変な努力と労力が必要で
1巻2巻ともに作者として私個人でできる範囲の事は
全て手を尽くしたかったのですが
私個人ではどうしようもなく、泣くほど悔しかったこと、

書店を移ることで(同じ書店の支店異動ではなく
全く別の書店に移りました)パートという下っ端の
立場ながら経営方針、売り場づくりなどを
見させて頂いて、この時代に「本を売る」ということの
困難さをしみじみと感じました。

私自身いつまで書店員を続けるかわかりませんが
ただ読者として楽しんでいた「本」を
「作る」こと、「売る」こと。
沢山のことを勉強させて頂きました。

3巻はありませんので是非、この2冊をゆっくりとまったりと
楽しんで頂けたなら本当に、本当に幸いです。
本を作るにあたってご尽力頂いた沢山の皆様、
1巻、2巻を購入してくださった皆様に
心より、お礼申し上げます。
ありがとうございました。


更にのんびりペースになるであろう「ほんとねこ」ですが
それでもたまの暇つぶしにでも見てみるよ!と
思って頂けるのなら嬉しく思います。

スズシロ