2019年3月30日土曜日

栃木拠点・3月30日

栃木拠点・3月30日
from : NPO法人・犬猫みなしご救援隊・代表ブログ・みなしご庵へようこそ
猫多頭飼養崩壊・続き

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3月28日に東京23区内から
連れて帰った31匹の猫たちの

健康診断をした結果

麻酔がかけられないような
重篤な状態の子はいなかったので

全頭
不妊手術を済ませることにしました。

なぜそこまで
不妊手術を急ぐのか・・・と言えば

何よりメス猫の《子宮の病気》を
懸念しているからです。

これまで数々の
多頭飼養崩壊現場の猫たちの

不妊手術にたずさわってきて
わかったことは

【メス猫の大半が《子宮の病気》に
かかっている】という事実

普通に考えたら

同じ室内に
オスとメスが一定数いるわけだから

そりゃ~そりゃ~すごい数の
子猫が生まれるハズでしょ?

・・・なのに
思ったほど子猫が生まれないのは

メス猫の子宮に
何らかの異常があるからだったのです。


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ちょっと前の
鹿児島内之浦の猫多頭現場のように

自然豊かな場所で
野山を駆け巡っている猫たちは

子宮の病気にはなっていないので

やはり環境の悪さ・・・室内の汚れが
メス猫が子宮の病気になる原因でしょうね

猫はきれい好きな生き物です。
常に毛づくろいをしています。

車通りの多い場所で暮らしている猫が
毛づくろいをしないのは

車の排気ガスやアスファルト粉塵を
体内に取り込みたくないからです。

何年前だったかなぁ・・・忘れたけど

田舎町から来た猫で
白い毛がねずみ色になっている子がいて

不思議に思って
保護主さんからいろいろ話を聞いてみたら

田舎なんだけど

たまたま棲み処が
トラックターミナルだったとのこと

そんなこんなで私は

この車社会が
生き物たちに及ぼす影響が

はかり知れないことを知ったわけですが・・・

それと
室内の環境は同じことです。

のどが弱い私は
猫多頭飼養現場に入ると必ず咳き込みます。

目には見えないけど

糞尿とほこりが混じると
私にはアウトなのだと思います。

とにかく一刻も早く
悪い子宮を取り出してあげたいのです。



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麻酔が効いた状態のうちに

ケンカ傷の具合や耳の中や
口の中など

ゆっくり診ればヨシ♪


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今回の
東京猫多頭崩壊現場の話は

去年の9月に
飼い主本人から直接相談があり

手放す気持ちを決めるのに
なんだかんだで半年・・・です。

よほどの緊急性がない限り
私はこれぐらいは時間をかけます。

なぜなら飼い猫は

日本国憲法の基本的人権で守られている
だいじな財産なので

飼い主とよくよく話し合って
お互いが納得してから動く必要があるからね

【3月28日に全頭引き取り】

・・・ということに決まったのは
3月の頭のことです。


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うちの渡邉が去年の11月に
お宅訪問したとき

飼い主さんが気にしていた
この子の目ですが



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2018年11月9日・写真

見たことがない人は驚くかも
・・・ですが

おそらく猫風邪をこじらせて
角膜に潰瘍ができたのでしょうね・・・

眼摘する以外は
今さらどうしようもない感じですが

この子の目はもう
痛い時期は過ぎているから

いずれ萎むし
わざわざ摘出する必要はない

・・・と私は思いました。



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猫風邪による
結膜炎や角膜潰瘍の予防のために

うちでは風邪気味の猫には
積極的に必須アミノ酸を与えていますが

猫が結膜炎になったり
角膜に潰瘍ができたりするのは

アミノ酸不足だと私は思っています。

すなわち日々の食べ物いかんによって
予防できるということ

いかに良質のフードを与えるか・・・です。

猫を愛するなら
安価なフードは与えないでください!



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3月28日の時点では
ここまで潰瘍がしぼんでいました。

これからはアミノ酸に限らず
じゅうぶんな栄養を摂ることができるので

もう安心でしょう!


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ほとんどのオス猫には
どこかしことなくケンカ傷がありました。

タマがついていたら
ケンカをするのは当たり前のことです。


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口の中をケガしている子がいました。

上あごの内側が一番ひどく
あとは小傷がバラバラとありました。

ちょっとしたことで
血が止まらないのは近親交配による止血異常

すなわち
血小板に異常があるからでしょう



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こんな感じでケンカ傷ではなく

アレルギー反応が
出ている子もいました。

これも食べ物が原因です。
いかに良質のフードを与えるか・・・です。

猫を愛するなら
安価なフードは与えないでください!




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正常に発情がくるメス猫の
首あたりには

オス猫に咬まれた傷がありました。


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《正常に発情がくるメス猫》という表現は

猫多頭所要現場ならでは
・・・の表現ですが

自然界というか一般の飼養と違って
猫多頭飼養現場では

生まれながらにして
卵巣が未発達で発情が来ない子や

子宮の病気で
発情が来ない子などがいるからです。


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耳血腫も多かったですねぇ・・・

特にオス猫は8割が耳血腫でした。

耳血腫になったばかりの子は
中身の血を抜きました。



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耳血腫になったばかりの子です。

触るとプトプヨして
中身が水状だとわかります。

この写真の耳と次の写真の耳を
見比べてください。

この写真では

耳の先っちょあたりのフチが
波打っているでしょ



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・・・でも

溜まっていた3ccの血を抜くと
手品のように普通の耳に戻ります。

患部を触って柔らかければ
中身の血は抜けます。

これを放っておくと

耳がちぢれて
どんどん萎縮していきます。


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ほとんどの子が
耳血腫になってから時が過ぎ

すでに
耳が小さく縮まりそのまま固まっていました。

こ~なると手の施しようがありませんが

耳血腫になった原因は
つかまなければなりません。

私の経験上
猫が耳血腫になる原因は

激しい痒みを伴う耳ダニか
何らかの理由による外耳炎が気になって

ひんぱんに
自分で引っ掻いたか

ケンカが原因だったりか・・・なので

まずは耳掃除をして
耳ダニがいるか否かを調べました。



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これは
1匹分の片方の耳の耳垢で

ほとんど耳の穴は
耳垢でつぶれた状態でした。

《粘着性のある黒い》耳垢だったので

パッと見
耳ダニがいるような感じではないけれど

一応
全ての猫の耳垢をルーペで

耳ダニが生息していないことを確認しました。
※※私はダニ探しが大好きなんです。

・・・ということで
今後は外耳炎を治療していきます。



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写真ではわかりにくいですが
この子は目が見えていないと思います。

他に見えにくいだろうと思われる子が
4匹いました。

目が見えないのも近親交配が原因です。


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口腔内


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下の奥歯を見てください。

この子みたいに黄色水晶のような

透明感がある歯石がついた子が
多かったです。



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「口を痛がる」と聞いていましたが

口内炎や
潰瘍がある子は1匹もおらず

このような大きな歯石が
歯にガッツリとついていたので

痛いのではなく邪魔だったのかな
・・・と思います。

歯石の原因も食べ物です。

良質なドライフードを与えないと
猫も犬も着色&歯石がつきます。



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そして懸念していたとおり
子宮蓄膿症が5匹いました。



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これは
11歳の子の子宮ですが

初めて見る大きさの子宮水腫で

破けたらえらいことになるので
慎重に慎重に取り出しました。



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反対側の子宮にも血種があり
相当お腹が痛かっただろうな・・・と思います。

この子は
もっとも気が荒い子だそうで

なかなか捕まらず
最後に飼い主から頼まれて

私が唯一捕獲した子なのですが

もしかしたら

こ~ゆ~ことでお腹が痛くて
気が立っていたのかも知れませんね


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卵巣もよくわからないぐらい
変形していますね・・・

子宮水腫はこの子1匹だけでしたが

15匹のメス猫のうち
子宮蓄膿所の子が5匹

妊娠していた子が4匹
出産後まだ子宮が収縮していない子が1匹

この時期なのに未発情の子が2匹
発情が2匹でした。



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なんだこれ!!(笑)

飼い主からもらった写真付きデータと
その子を照らし合わせて私が書いた

《役に立つ予定》の覚え書きです(笑)

多頭で近親だと似たような子が多くて
それが一度に来るわけだから

お世話する者たちがこんがらがるだろうと思い
私は親切心で書くわけですが

あまりに絵心が無さ過ぎて(笑)

私以外の人は誰も理解できず
誰からも重要視されず

そのへんにポイッ!!(笑)

結局は《私だけの》覚え書き
・・・になるのです(笑)


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猫多頭飼養崩壊

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路上で困っている猫を
かわいそうに思って自宅に連れて帰る

これは
善男善女の当たり前の行動ですが

その後すぐに不妊手術を施すか否かが
大きな分かれ目となります。

あら・・・生まれちゃった・・・
・・・でも10匹ぐらいはなんとか育てられる

こんな《甘い考え》が運のツキで
あっという間に猫が増え

気が付いたときには

お世話も行き届かないし
お金も追いつかないといった最悪な展開・・・

このままじゃマズイことぐらい
わかっているけど

猫多頭飼養崩壊におちいる人は

極端に内向きで
極端に恥をかくことを恐れる性格です。

↑ ↑ 私はそう言い切ります。

この極端に恥をかくことを恐れる性格が
大きな弊害となって

自分でもど~していいのか
わからなくなっているのに

笑われるから・・・バカにされるから・・・
・・・と

《今のこの状態を人には見せられない》
《誰にも相談ができない》

そ~こ~しているうちに
いつの間にか劣悪な環境に慣れてきて

こんな環境でも
なんとな~くは生活できるし

誰かに相談して
ガタガタ言われるぐらいならこのままで

・・・と
臭いものにフタをしていくのです。

猫が好きで猫を助けたくて多頭飼養になり
手がっ回らなくなったのなら

ここはひとつ
つまらないプライドは捨て

お近くの愛護団体に相談してみては
いかがでしょうか

全頭を手放す必要もなく

全頭の不妊手術を一気に済ませるだけで
解決する場合も多いですしね