2016年11月24日木曜日

動物の慰め行動

動物の慰め行動
from : ドッグウォーカー博士のスローライフ

朝起きたら予報どおりの雨だった。

犬猫たちはさっとごはんを食べてトイレを済ませると、すぐに布団に戻ってきた。

わたしも寒いのでベッドに戻ってみたが、やることがいろいろあって寝ていられず、コートを着込んで起き出した。

室内でコートを着るのは温かくていい。

もっと早くこうすればよかった。

少ししたらみぞれになったが、うちのあたりは全く積もらず、その点は助かった。

散歩にも行けないので、ひたすら寝て過ごしていた。

ここまで天気が悪いと、外をのぞきにも行かないし、散歩に行きたそうなそぶりも見せない。

外の明るさで判断しているのかもしれない。

高齢のキキさん(サビネコ♀21歳)は、今日のような寒い日にはストーブの前に陣取るかと思いきや、いつもの椅子の上で寝ている。

床に下りたときにストーブの前に連れてきてあげたが、また椅子に戻って行った。

寒さの感覚が鈍くなったのかもしれない。

昨日何回か咳をしたので、風邪を引いたら大変だ。

そういうとき、小麦ちゃん(茶白♂14歳)がかならず舐めてあげている。

キキさんのほうはあまり舐め返していないが、それでも以前よりはお返しするようになった。

犬猫たちを見ていると、相手を思いやったりなぐさめたりする行動をしている。

これはチンパンジーでは日常的に観察されるが、犬や猫などでも数多くの研究によって実証されている。

古くはチャールズ・ダーウィンも、ある犬が友達の猫が病気で寝ているときに、そのそばを通るたびに何度か舐めてあげていたと述べている。

近年では、泣いたり痛がったりしている人間の家族を、犬猫が慰めるというものから、喧嘩して負けた犬をそばにいる犬が慰めるというものまで、多くの研究結果が報告されているのである。

みなさんの家の犬猫たちも、このような行動をしていると思う。

猫が泣いている飼い主を舐めてあげる話や、犬が苦しんでいる飼い主のそばを離れなかったという話などもよく聞く。

うちでは、妹の猫のナナちゃん(享年20歳♀)が、結石で寝ている猫嫌いの母の布団の端で、ずっと看病していたということがあった。

キキさんは、私がサーフィンで肋骨を3本折って帰ってきたときに、布団の上に乗って一晩中看病してくれた。

かつてうちにいた保護猫さんが、アクシデントから生還してうちに帰ってきたとき、他の猫たちみんながせっせと舐めて慰めていた。

動物たちはこのように、相手に同情を感じ、それを行動で示しているが、私たちは苦しんでいる動物たちに、同情しているだろうか?

自分が苦しめているという場合もあるだろうし、他人が苦しめているという場合もある。

また、行き倒れているところに遭遇する場合もある。

すべての動物を助けるわけにはいかないが、できる範囲で手を差し伸べてあげたい。

チョークチェーンでジャークされて舌をペチャペチャしたり、身震いしたりしている犬を前にすると、反対側を通りすぎたくなるが、勇気を出して飼い主にハーネスをすすめるなどできるかもしれない。

たとえできなくても、犬にカーミングシグナルを出して、「お気の毒に」と伝えることならできそうだ。

自分にできるほんの些細なことをするだけでも、相手を慰めることはできるのである。

なにができるか考えてみるといいと思う。

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