from : NPO法人・犬猫みなしご救援隊・代表ブログ・みなしご庵へようこそ
私が
《群馬みなかみ猫多頭飼養現場》の
相談を受けたのは先月
9月の終わりのこと
相談者は
猫を保護していたと思われるオバサン
オバサンはパニック状態で
話は支離滅裂で
「猫の餌がなくて猫が全員死ぬ!」
・・・と泣いててみたり
「電気が止められ猫が寒くて死ぬ!」
・・・と泣いてみたり
真剣に話を聞けば聞くほど
話に整合性がなく
話は二転三転四転五転でした。
そんなオバサンから連日何度も何度も
電話があり
オバサンの話を聞いた私の判断では
《登場人物は男女4人》
話しぶりから猫好きだと感じるオバサンは
いろんなことに無知で
「一緒に保護団体を立ち上げよう」
・・・と言う
主導権を持っていた男の話をうのみにして
《まずは》オバサンの所有物件を
猫を保護するシェルターにしたみたいで
主導権を持っていた男が
猫を集めて来たみたいで
他に猫好きの高齢男性2人も加わって
実際に
何年間か保護活動をやっていたが
1人の高齢男性が亡くなり
1人の高齢男性が入院してしまい
主導権を握っていた男が
猫を置いたまま逃げて今日に至る
・・・そんな感じです。
とにかくオバサンは
いつ電話してきても
ギャ~ギャ~パニック状態で
支離滅裂なまま
猫が死ぬ!と言ったり
もう死んだみたいだ!と言ったりなので
私としては
多頭飼養崩壊現場にありがちな
《糞の堆積》と《ご遺体の未処理》かな
・・・と思って
『火葬するお金がないなら
自宅の庭にきちんと埋葬してあげなさい!』
・・・とオバサンに厳しく言い
とりあえずは
《私のリスト》に入れて
10月に栃木拠点に行ってから
『時間を作って訪問しよう』
・・・と思いました。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
10月に入って
北本TNR一斉や山形川西TNR一斉など
外部での活動に加え
行政視察や企業訪問など
バタバタと
内部での活動予定をこなしなしていた
10月8日(火)
オバサンが電話してきて
「発作が起きて入院している間に
警察が来て
猫の死体について捜査している」
・・・と
またまた理解不能なことを言いました。
落ち着かせて
よくよく話を聞いてみると
オバサンは発作が起きて
病院に入院(短期)しているのだが
その間に
誰かから
猫のご遺体があると通報を受けた群馬県警が
猫がいる建物に入って
猫のご遺体を持ち出しているんだそう・・・
『そんなことより
あんたの入院中は
誰が生きとる猫は面倒みとるん?』
私は
そっちの方が心配でした。
そしたらオバサンは
「それは息子がちゃんとしてくれてる」
・・・と
とりあえずは安心したけれど
緊急のことなので
午前中に用事を済ませて
午後一番にうみに運転してもらって
みなかみまで行きました。
そ~は言うても
栃木拠点からみなかみまで
3時間も4時間かかりますからね
1人じゃ道のりが長くツラいし・・・
田原君は
新・猫舎建設にたずさわっとるし・・・
それが
10月8日(火)のことです。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
10月8日(火)午後4時
オバサンちに着くと
本当に群馬県警が来ていました。
そして
段ボール箱に
猫のご遺体を入れていました。
まぁそこらは警察に任せるとして
私がすべきことは
その現場にいる
生きている猫の《身の安全の確保》です。
入院しているオバサンに代わって
オバサンの息子と話をしました。
常にパニック状態のオバサンと違って
息子の方はいたって普通で
ちゃんと話ができました。
当然のことですが
いかに親子とはいえ成人した者同士なので
お母さんがやってることを
息子が
一部始終知っているわけではなく
知らないことも多いわけで
「猫が何匹いるかも
どこにいるかも全くわからないが
猫を助けて欲しい」と・・・
まぁ・・・
そうだわなぁ・・・私もそのつもりじゃし
・・・けど私は
世間一般で言う《お人よし》ではないし
私が一番怖いのは
《猫多頭飼養の再犯》
せっかく助けても
また同じことを繰り返すことです。
オバサンの息子も
そこはとっても気にしていたので
オバサンが
詐欺まがいなことに引っかからないためにも
二度と猫を保護しないためにも
オバサンには
厳しい条件を言いました。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
翌朝オバサンから
《いつもにも増して》
泣き叫ぶ感じで電話がありました。
「猫を放置して殺したみたいに
上毛新聞に載った!」
オバサンは自分のことが上毛新聞に載った
・・・とパニック
私は言いました。
『オバサンは
上毛新聞の取材を受けてもいないし
まだ事実関係もわからん状態で
紙面に載るハズがない!
落ち着きんさいや!!』
私としては
現場で生きていた猫が元気そうだったし
《放置して餓死させた》と言う点が
自分の経験上では疑問があったので
通報を受けた警察が入ったけど
まだ捜査段階だし
こんな段階で新聞に載るとは
想像できませんでした。
・・・が
オバサンの
パニック状態がすごいので
事実かどうか確かめようと思い
《みなかみ在住の》うちの支援者さんに
問い合わせることにしました。
うちに送られてくる支援物資の
送り状のデータは
うちの事務が全部保管しているので
そこから電話番号を見て連絡しました。
初めての電話だし突然だし
大変失礼なことだとは思いましたが
地元の人に問うのが一番確かだと
私は思ったのです。
『上毛新聞の今日の朝刊に
猫虐待みたいな記事が載りましたか?』
すると
驚く答えが返って来ました。
「かなり大きく載ってましたよ!」
まだ何もわかってないのに・・・
オバサンは取材も受けてないのに・・・
しっかりした新聞社が載せたとなると
信憑性が高まって
あっという間に
三流のマスコミが騒いで駆けつけて
面白おかしくネット記事とかに上がったら
今まさにそこで生きている猫たちは
ど~するんじゃ!!
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
10月10日(木)の
私の予定は決まっていましたが
週末には台風も来るみたいだし
とにかく
朝早くから最低限のことだけやって
10月10日(木)朝8時すぎ
群馬みなかみを目指して
私は軽自動車で出発しました。
私がいないと生きていけない
《絶賛子育て中のヒロシ》も連れて・・・
途中の太田桐生あたりで
ヒロシの子守り役に3月ちゃんを迎えて
12時過ぎに現場に到着
そしたら
またまた群馬県警が来ていました。
オバサンも退院して現場にいました。
オバサンの息子もいました。
警察は死んだ猫のことやり
私とオバサンと息子は
生きとる猫のことをやる
お互いそこは分野が違うので
問題は生じませんでした。
ここが
10月8日(火)
私が最初に訪れた
猫のご遺体があった元・民宿です。
この奥がオバサンいわく
「エイズの猫を隔離している部屋」で
ここの環境が一番悪く
いわゆる猫多頭飼養《崩壊》現場
この部屋には
1秒たりとも
ここの子たちは
なんとしてでも連れて帰るつもりでした。
新聞紙はオバサンの息子が
とりあえず置いたもので
この下は糞尿もぐれです。
ここに「エイズだ」と言われていた
メス猫が4匹いました。
猫たちは
まったく馴れておらず逃げまどって
案の定オバサンは
私が網で捕まえて
息子にケージの開閉をしてもらいました。
この部屋以外の1階・2階からも
4匹の猫を保護しました。
そこは上毛新聞に載った
猫のご遺体があった近くなので
いろいろ配慮して写真は掲載しません。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
オバサンが
「電気が止まったら猫は寒くて死ぬ!」
保護しました。
栃木拠点あたりも
未去勢・未避妊がいたわりには
そこまで臭くもなく
破損した箇所もなく
つい最近まで
お世話はできていたのだと思います。
ごはんもお水も
きれいな入れ物に入っていたけど
やはり畳はダメですね・・・
一度オシッコとかされるとアウト!
不潔になりやすい
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
そんなこんなで急きょ
保護することになった猫たちですが
栃木拠点に到着したのが
夜7時
栃木拠点に着いてから
しばらく静かにさせて
ごはんとお水を用意しました。
この2匹と
この2匹が
「エイズ」と言われ
劣悪なところにいました。
・・・が
何日も何ヶ月も
食べものがなかったような感じではないでしょ
この2匹と
この2匹が
猫のご遺体があった近くにいた
子たちですが
やはり
何日も何ヶ月も
食べものがなかったような感じではないでしょ
この子たちは
別の建物にいた子たち
そこには母猫と子猫5匹と母子と
別の子猫も4匹いましたが
子猫9匹とも
目ヤニとかも全く出ておらず
栄養状態も悪くなく
環境も問題なかったと思います。
昨日は
突然知らないオバサンに捕獲され
車に乗せられて移動させられ
ストレスが満載なハズなので
とにかく静かにさせて寝かせました。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
オバサンが言うには
主導権を持っていた男が逃げるまでは
「ロイヤルカナンを与えていた」
・・・そうで
実際
オバサンの自宅のゴミ袋の中には
ロイカナの空き袋も大量にあったし
今回保護した猫たちを見る限り
それは否定できないと思うし
緊急性はそんなにない現場なので
10月8日の時点では私は
劣悪な環境のエイズ部屋の子たちと
ご遺体付近にいた子たちだけ
保護すれば終わるかと思っていましたが
この現場のことが
上毛新聞に載ってしまったことで
オバサンのパニックが倍増し
オバサンの息子からも頼まれたし
『じゃあもう1ヶ所の建物の猫も』
・・・となって
25匹の猫を保護しました。
あとはまだ
オバサンの家に13匹いますが
環境に問題はないし
それぐらいはオバサンが
責任をもって世話すべきじゃし
逆に
一気に猫がいなくなると
それはそれでパニックになるタイプだし
しばらくは
13匹残して静観するつもりです。
この現場の子たちの供養は
月例の健空阿闍梨による供養会で
執り行います。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
最後になりましたが
その現場で亡くなった猫たちへ
心より哀悼の意を表しますと共に
冥福を心よりお祈り申し上ます。
どうか
やすらかにお眠りください。