2018年6月15日金曜日

塩分が多い食べ物に注意

塩分が多い食べ物に注意
from : ドッグウォーカー博士のスローライフ

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こちらは台風が接近している。

涼しいのでキキさん(サビネコ♀22歳)は食欲があり、元気に鳴いてごはんを催促している。

鼻をズビズビさせたり、ちょっと咳をしたりしながら室内を見回っている。

今朝、小麦ちゃん(茶白♂15歳)が寝ているイスがガタッと言っていたので見にいってみると、痙攣発作を起こしていた。

20秒程度で収まっていたが、癲癇のような感じだった。

回復した後大声で鳴いていたので、不安だったのだろう。

原因究明には麻酔してMRIを撮る必要があるが、高齢なのでリスキーだし、撮ったところで手術などもできない。

発作を抑える薬は発作の頻度が多くなってからなので、今のところ経過観察だ。

ふたりとも調子がいまいちなので心配だ。

わたし自身はまた湿疹ができて地味に痒い。

継続的な痒みもまたけっこうなストレスだ。

犬たちは散歩に行けないので静かに寝て過ごしている。

はっちゃん(秋田MIX♂6歳)は雨と雷が嫌いなので、トイレ以外は庭に出ようとしない。

一瞬雨が小止みになったときに庭でスイカをあげたが、それでもちょっとしぶしぶ出てきた感じだった。

マルちゃん(大型犬MIX♂10歳)は小止みのときに庭散歩を楽しんでいる。

まだこの時期の台風は小規模だが、一昨年は7月に大型が来て被害が出たので油断はできない。

このところ犬のごはんに関する質問をいくつか受けたので、今日はそれについて書こう。

最近、たんぱく質含有量が多い肉系のフードをあげる人を見かけるようになった。

メーカー側は、犬はオオカミの子孫なので肉食がいいなどと言うが、これは実際には正しくない。

このブログでも取り上げた、環境省の「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」にはこう書いてある。

「犬は、 長い間人間と共同生活していく中で雑食性が進み、 たん白質の必要量は人間より多いものの、 最適な三大栄養素の割合は人間と全般的によく似ています」。

犬は、脂肪15%、たんぱく質25%、炭水化物60%である。

それに対し人間は、脂肪14%、たんぱく質18%、炭水化物68%である。

たんぱく質35%を必要とすると肉食性の猫と比べると、ずいぶん人間に近い。

犬は人間の余り物を食べて生き延びてきたのだから、当然といえば当然である。

さらに興味深いことに、塩分所要量も犬と人間はほぼ同じなのだ。

成犬のナトリウム摂取量の目安は、体重1kgあたり50mgだが、実際にはフードによって、20mgから80mgぐらいまでばらつきがある。

人間の推奨塩分摂取量の上限は1日に5g(WHOによる)で、これはナトリウム量に換算すると、1日に約2000mgになる。

体重50kgの人では1kgあたり40mg、60kgの人は33mgになるので、犬よりもむしろ少ない。

日本人の平均は、1日10g程度なのでこの倍になるから(減塩対策が求められている)、結局のところ、同じぐらいだといえる。

手作り食のみを食べさせている人は、「塩分薄味」に調節するといいだろう。

しかし、人間と同じくらいだからといって、ちくわやソーセージ、塩鮭などをあげてしまうと、塩分オーバーになる。

これらの塩分含有量は以下のとおりだ。

焼きちくわ1本50g 塩分1.2g(ナトリウム472mg)
フランクフルト1本60g 塩分1.1g(ナトリウム443mg)
塩鮭辛口1切れ(80g) 塩分1.5g(ナトリウム590mg)

人間でも多いと思うが、もし体重5kgの犬が、これらを1本もしくは1切れ食べてしまうと、それだけで1日のナトリウム所要量250mgを超えてしまう。

ドッグフードにはすでに必要な塩分が含まれているので、それに加えてこれらを食べると、大幅に超過する。

だが、無塩手作り食を食べている体重30kgの犬が、フランクフルト1本を1日2回食べても1日のナトリウム摂取量1500mgの範囲内である。

大型犬だったら人間の体重にも近いが、超小型犬だったら、体重差は何十倍にもなる。

それで人間と同じような量の「おやつ」をあげてしまうと、栄養バランスが大きく崩れてしまうので注意しよう。

犬にあげてはいけない食べ物としてよく知られているチョコレートやタマネギなども、体重あたり半数致死量はけっこう多い。

タマネギ15~20g/kg
テオブロミン300mg/kg(ミルクチョコ約120g、ダークチョコ約50g)

体重5kgの犬ならこの5倍なので、タマネギなら丸1個程度、ミルクチョコ600g、ダークチョコ250gである。

中毒症状はこれ以下の量で出るし、これは摂取した動物の半数が死ぬ量なので、もっと少ない量で死に至る犬もいる。

だが、5kgの犬がこれだけ自発的に食べるのは、ストレスレベルが相当高くないと難しい(高いと食べる)。

体質にもよるが、通常は一口食べたぐらいでは、大事には至らないことが多く、ストレスレベルが低ければ、死ぬほど食べるようなことはしない。

小型犬の場合、どうしても体重差の考慮が不十分になりやすいので、その点は注意したほうがいいだろう。

なお、チョコレート(テオブロミン)の人間の半数致死量は1000mg/kg(ミルクチョコ400g/kg)で、体重50kgの人だと20kgになり、チョコで死ぬのは難しいが、摂取しすぎたら毒になるという点では犬と同じである。

少量のチョコやタマネギに過剰反応することはないが、人間サイズの食べ物を小型犬にあげる人はいそうなので気をつけたい。

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