from : ドッグウォーカー博士のスローライフ
１週間以上食欲がなかったキキさん（サビ猫♀１９歳）だが、今朝やっといつもどおり「ごは～ん」と催促するようになった。
ウェットフードをけっこう食べ、昼になるとまたお腹がすいたとドライフードを食べた。
これでほぼ通常どおりに戻った。
なかなか食欲が戻らずに強制給餌をしていたが、もうすべて自力で食べられる。
高齢なだけに心配したが、復活してくれてよかった。
膵臓の値が少し高いため週に２回輸液をするように言われているので、今日、２回目の輸液をおこなった。
昼寝しているところ声をかけて起こし、ぼんやりしているときにささっとすませたので、余計なストレスをかけずにできた。
病院に連れて行くとなると、最短でも片道４０分はかかる上に、待合室で長々と待たされた挙句に診察台に載せられて、緊張の連続である。
自宅輸液のメリットは計り知れない。
ところで、犬に関しては本当に誤解が多いと思う。
たまたま、唸りについて書いている文章をみて驚いた。
犬は自分が序列の下だと思えば従順で、上だと思ったら唸ったり噛んだりする。
そうやって人間を従わせようとするのだと言う。
なので、人間が上であり、リーダーであることをわからせることが必要だと。
リーダーになるためには、食事や散歩、遊びの時間などは飼い主が決める、常に飼い主が先にドアを通る、アイコンタクトさせる、５分以上フセをさせる、などするといいそうだ。
よくここまで犬の「ことば」を誤解するものだと思う。
その対処法にいたっては、ずれすぎていて意味不明だ。
唸るのは、「いやだ、やめて」、「あっちへ行って」と言っているのであって、それを聞き入れてあげればやめる。
犬の気持ちを尊重し、唸るようなことをしなければ、そもそも唸らない。
もちろん、遊びのときに唸ったり、痛みがあって唸ったりなどすることはあるが、多くの飼い主が悩んでいるのは、こういう唸りではない。
食べ物を取り上げようとすると唸るとか、爪を切ろうとすると唸るとか、そういう唸りである。
犬は我慢強いので、不快なことをされたときに、とても礼儀正しく「やめてください」と言う。
ちょっと顔を背けたり、まばたきしたりなどである。
だが人間は鈍感すぎてそれに気づかないので、もっと強いことばを使う。
もっと派手に体をそらしたりなどするが、それでも通じない。
そこで唸ったり、空噛みしたりなどするようになり、それでも通じないと噛み付くようになる。
噛み付かれるようになってはじめて人間はあわてるが、もっと前に気づいてあげないといけない。
噛み付くといっても、犬はとても加減している。
もし本気で噛み付いたら、骨など簡単に砕けるだろう。
マルちゃん（ドゴＭＩＸ♂７歳）は、びっくりするほど大きな犬歯を持っていて、その上噛む力が強い。
小動物の首に噛み付くと、その瞬間にボキッという音とともに瞬殺してしまう。
そんな力を持っているのに、びっくりして唸ることはあっても、わたしや同居動物に対して牙を向けることはない。
強い抑制が働いているのだと思う。
噛み付きがひどい犬でも、全力は出していない。
傷つけるつもりではなくて、身を守るためにやむなくだったり、あるいは興奮しすぎて暴れたついでに噛んだりしする。
それが繰り返されると、ある特定の刺激によって噛み付くという行動が定着するが、そういう場合でも、きっかけとなる刺激を避けることで反応は減っていくのだ。
𠮟ったところでストレスがかかるだけなので、すぐにやめよう。
コマンドを教えても、人間がいやなことをやり続けていたら、当然ながら改善はしない。
それよりも、犬が「やめて」というようなことをしないことがもっとも重要だ。
そうすると、治療のためにちょっと痛いことをしなければいけないというようなときにも、我慢してじっとしていてくれるようになる。
キキさんは今は元気になっているのに、輸液のときにもおとなしくしていた。
はっちゃんも尿道カテーテルのつらい処置にも、暴れたりせずに受け入れていた。
無理に我慢させたり、慣らそうとしたりなどしなくても、どうしても必要なことは受け入れてくれる。
そこを無理にしていると、どんどん嫌になって、唸ったり噛んだりするようになる。
そういう人間側の間違いが非常に多いので、気をつけたいものだ。
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